原発事故の一年でした
新しい年になるからといって、普段は何をどうとは思わないタイプの人間なのですが、さすがに今年は「津波と原発事故の年」として記憶に残るであろう年でした。
被害の大きさでは、おそらく震災と津波の被害が、原発事故を大きく上回るのでしょうが、国民に与えた衝撃度や不安という意味では、もしかしたら、それが逆転するのかもしれません。
もちろん、どちらが大きいとか小さいとかいう事にさしたる意味はありません。どちらも甚大な災害であり、事故であったと思います。
原発事故と放射線の被害を巡って、政府と東電の情報伝達が不正確不充分で、マスメディアの一部にはデマと大差ないレベルの報道があり、我々一般人もブログやらツイッターやらで、あれこれと主張をしていたことは、みなさんご存知の通りです。
あまり喜ぶべきことではないのですが、私が大学で学んだ事が卒業後に最も役に立った状況が、原発事故以降でした。原子力発電についての知識はほとんどなかったのですが、原子核で起こっている事に関しては、それなりの基礎知識があり、それが役に立ったのです。
具体的に言うと、氾濫する情報の中で信頼に足る情報を取捨選択するのに役立った、ということです。原子力発電や放射線に関係する医学の知識はないのですが、それでも、放射線とか核崩壊とかの基礎知識だけでも、それなりに役立ったと言えます。
もちろん、分からないことも山のようにあったのですが、基礎知識で判断可能な「間違った情報」を排除するだけでも、随分と有効だったと思います。
そして、そうやって取捨選択した情報を、(ほんの少しですが)周囲の人に伝えることも出来たと思います。必要ならば、出来る範囲での解説を添えて。
事故から9ヶ月以上経っていますが、ツイッターでは、今でも「放射線に関する基本的な勉強会を開くべきでは」といったことが頻繁に言われています。
私は科学者でも専門家でもありませんが、多少の知識はありますので、その知識に関連する分野では、科学者と一般人の中間に位置するのでしょう。医学的、工学的なことは分かりませんが、放射線の基礎なら、一般の方に入門編を話せる程度の知識はあると思います。そして、そういう中間の人の数は決して少なくないと思います。
一般向けの放射線に関する勉強会をするとして、講師は「◯◯大学理学部物理学科教授」である必要はないと思うのです。上記の意味での中間に位置する人や、学生さんとかが、どんどん講師をすれば良いと思います。もちろん、改まった勉強会じゃなく、普通の雑談の中でも。
1年前なら、「原子核は陽子と中性子が〜〜、ガンマ崩壊ってのがあって〜〜、半減期というのは〜〜」なんていう話は誰も聞きたいと思わなかったでしょうが、今は違うでしょう。物理学でも、医学でも、どんな分野であれ、知っている人は、知っていることを周囲の人に、積極的に伝えたら良いと思います。

