読売新聞の報道内容を検証する
読売新聞でこのような報道がありました。この記事、いつまであるかわかりませんので、引用しておきます。
首都圏の鉄道混雑率、ワースト1は山手線・上野—御徒町
国土交通省は4日、首都圏の鉄道12社42路線の2006年度の混雑率を発表した。
1位は3年連続でJR山手線の上野—御徒町間(外回り)で、混雑率は前年度と同じ216%だった。「体が触れあい、相当圧迫感がある」とされる200%を大きく上回った。
上位10路線のうち、JR東日本が8路線を占めた。JR以外では東京地下鉄(東京メトロ)東西線の木場—門前仲町間が7位で、前年度より1ポイン ト上昇して199%となった。東京急行電鉄・田園都市線の池尻大橋—渋谷間は同率9位に入り、混雑率は同2ポイント上昇して196%だった。
混雑率はピーク時の1時間あたりの平均値。乗客全員が「座席に座るか、つり革につかまっている」状況で100%となる。国交省は、「折りたためば新聞を読める」状態を示す180%以下が望ましいとしている。
(2007年12月5日8時34分 読売新聞)
ところが、なかなかそれらしいものがみつかりません。その時見ていたのはこのページです。見ているとこが悪いのかと思いあちこち行ったり来たりしたのですが、やっぱり新着情報のページにリンクを発見しました。やっと見つけたのは、これです。
詳しくは当該ページと、そこにある参考資料(PDFファイル)をご覧下さい。
国土交通省が発表したのは「公共交通の『快適性・安全性評価指標』について」です。一方、読売新聞では「国土交通省は4日、首都圏の鉄道12社42路線の2006年度の混雑率を発表した」と書いてます。これは明らかにミスリードですね。確かに、国交省の発表内容に、評価基準としての混雑率も含まれます(参考資料参照)が、別に混雑率を発表したわけじゃありません。
さらに問題なのは、「1位は3年連続でJR山手線の上野—御徒町間(外回り)で、混雑率は前年度と同じ216%だった」などとしているところです。参考資料を見ると、いくつかのサンプル路線のサンプル区間においての混雑率が書いてあります。そして、その中で最も高い数字は山手線の上野—御徒町間(外回り)です。でも、全ての路線、全ての区間で調査しての最高ではありませんし、最高を決めても良いほどに多くの区間で評価しているわけでもありません。ごくごく一部の区間での混雑率評価ですから、1位がどうこう言う意味は皆無です。
この新聞記事を読んだら、普通の人は「首都圏の電車でもっとも混むのは山手線の上野、御徒町間かぁ」という認識を持つに違いないのですが、少なくとも国交省の報告書には、そんなことは書かれていません。こういう記事の書き方をするんですよ。まあ、新聞でも雑誌でもテレビでも、基本は一緒ですけどね。
国交省の当該ページと参考資料を眺めてもらえば分かる通り、読売新聞で報道されているのとは、随分と違うトーンの話です。「マスコミ報道には必ずフィルターがかかる」という鉄則を忘れてはならないということですね。


